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見えない鎖 ― アメリカ製戦闘機の隠れたリスクと日本の選択

1. はじめに:独立した防衛装備開発の意義

日本がロッキード・マーティンと結んだ戦闘機契約を解除し、独自開発に舵を切ることは、単なる違約金の問題ではなく、主権国家としての安全保障と技術・産業基盤の強化という長期的視点から非常に重要です。

  • 米国製戦闘機は高度な電子制御とネットワーク管理を前提とし、「遠隔管理」の脆弱性が潜む

  • 一方、国産機は設計・製造・保守をすべて国内で完結でき、不測のリスクに強い

  • 科学・技術・産業の自立性を保つ上でも、国産化の流れは必須といえます


2. F‑35の「キルスイッチ/遠隔無効化」構造と懸念

2.1 ソフトウェア依存とALIS/ODIN

F‑35は800万行超のコードとクラウド基盤(ALIS/ODIN)で飛行・ミッション・整備のすべてを管理 (en.wikipedia.org, theaviationist.com)。すなわち、

  • 米国政府やロッキード社がソフト更新や部品供給を掌握

  • 対外的に与信がある限り「稼働継続」可能

  • 信用停止・更新遅延があれば、事実上の機能制限→「使えなくなる戦闘機」になり得る

2.2 「キルスイッチ」争点と現実

当初「遠隔停止機能=kill switch」説が拡散しましたが、実際には政府とメーカーとも公式否定 (theaviationist.com)。しかし技術的には:

  • エンジン停止や飛行制御無効を意図した直接制御は不可だが、

  • メンテデータ供給やアップデート拒否による機能劣化、電子戦や航法部品の供給停止は可能であるというのが専門家の共通認識

つまり「物理的kill」ではなく、「維持・運用停止」は制度上も技術上も可能な枠組みにあるということです。

3. 国内技術による独立開発の優位性

日本企業が独自開発・維持できる戦闘機は、こうしたリスクから免れます。

  • ソフト・ハード設計すべてが国内完結のため、意思決定の独立性が保たれる

  • 部品供給、アップデート、保障体制も国内で管理でき、政治的リスクに強い

  • 今後の国際紛争・制裁・情勢変化にも対応しやすい

4. 三菱重工製戦闘機(F‑2/次期F‑X)の実力と将来展望

4.1 F‑2の実績

三菱重工とロッキードの協働で2000年から配備開始されたF‑2は、

  • F‑16をベースとして25%大型化した複合材翼/AESAレーダー

  • ソフトウェアも国内開発、高いミッションシステム自律性を確保 (twz.com, en.wikipedia.org)

  • 日本固有の運用・環境に最適化され、ソフトウェア/電子戦システムも自前開発された

  • なにより、運用・整備に関する主権を確保した点が最大の意義

性能面では、

  • 全幅11.13 m、翼面積約35 ㎡、GE F110エンジン搭載でMach 2性能 (forecastinternational.com)

  • F‑16比で機動性・ペイロード・ステルス性が向上し、「国産戦闘機として世界水準」に達しています

4.2 次世代戦闘機:F‑XとGCAP構想

日本は現在、英・伊と共同で**「Global Combat Air Programme(GCAP)」**を推進中です (en.wikipedia.org)。

  • 「Godzilla」の愛称もつく大型ステルス機F‑Xを開発し、2035年ごろ配備予定

  • 完全国産ベースに加え電動アクチュエーション/高効率CFRP構造/多発ミサイル搭載技術を採用 (en.wikipedia.org)

  • 国際共同開発により、産業・技術交流と分散化された軍事自立両立が可能

5. F‑35との比較:性能 vs 自立性

5.1 主な項目比較

項目

F‑35 Lightning II

三菱 F‑2/F‑X

ステルス性

第5世代ステルス機

AESAやRAM採用した第4.5世代、F‑Xで第6世代級

エンジン

単発 F135

F‑2:単発 F110。F‑X:未定だが双発想定

ソフト制御

米国主導・ALIS依存

全ソフト国産、自主開発

維持体制

米国&民間に依存

100%国内維持・整備

政治リスク

米国の政策次第で運用制限あり

独立性確保

国際協力

NATO型共同整備

GCAP等で国際協調しつつ主権維持

5.2 電子制御の安全性と潜在的リスク

  • F‑35は高度なネットワーク管理が可能な反面、供給停止による運用停止リスクも抱えている

  • F‑2やF‑Xでは、独立して維持可能なソフト・ハード設計が安心材料となる

6. 結論と政策提言

  1. 技術的な制御独立性の確保:ソフト/ハードを国産化し、国外制御や供給停止の懸念を回避。

  2. 国際連携の再編:F‑X/GCAPにより、主権維持&産業協力を両立させる。

  3. 政治的リスク軽減:米国支配下に留まらず、日本独自の防衛判断・装備体制を構築。

  4. 産業基盤強化:国内技術・人材・インフラの一体育成を通じ、防衛産業の持続性を図る。

おわりに

  • 米国製戦闘機は世界トップクラスの性能とネットワーク力を持つが、政治的・運用的な制約と供給依存が常につきまとう

  • 一方、三菱重工を中心とした国産戦闘機開発は、**主権国家における「安全保障の自立」**という観点で真に価値ある選択である

  • 技術と政策、産業と安全保障を一体化し、日本は次世代戦闘機開発を通じて、主権と国際協調を両立する新たなモデルを示すべきです


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